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みなさまへ

 平成5年に平飼い養鶏を始め、令和元年9月までの26年間。お陰様で杉並区内唯一の小規模養鶏場として続けることができました。その間のお客様の笑顔やご支援、近隣の方々のご理解、養鶏農業関係の方々との交流は私の宝物です。

 令和元年9月に急性骨髄性白血病を発症して緊急入院し、多くの方々のご支援で翌年2月に無事退院できました。養鶏業に戻りたいと強く願っておりましたが、断念せざるを得ないことになりました。

 「再発」というリスクを抱え、家族の支援が得られない状況での生き物の飼育は継続できませんでした。この背景には都市農業に関する法律が改正整備されても、未だ封建的な農家の家族の思考と財産の問題があります。技術のある都市農業の健全なる担い手が「やりたい農業を継続できない」ということは損失だと思います。

 家族とは平成30年から話し合いを続けてきました。養鶏は生産緑地法8条2の「迷惑施設」にあたり、平成12年に「父農地から移転できず、廃業したら再開はできない」という杉並区の指導がありました。その為に環境的問題も含め、私が父と共有する農地ではなく、父の農地上にあった鶏舎を継承する形で続けてきました。

 農地法、生産緑地法、家畜伝染病予防法等が養鶏業に関連する法律ですが、開始時点では私は父の農業後継者であり、鶏舎設置についての農地法上の届出は不要でした。しかしその地位を妹に譲ったために養鶏は「やみ小作」の立場になってしまいました。父とは法律に関わらず、杉並区の指導に従って鶏舎とその周辺農地の利用についての約束がありましたが、平成26年頃から私の所有権のある農地への移転を求められました。ですがその隣地には分譲マンション等もあり、設置が認められても良心に照らして近隣にご迷惑をおかけすることはできません。

 話し合いはつかず、養鶏の断念に無念かつ断腸の思いです。このような事態に至らないよう農地の単独所有を求め、営農の品目を変えて再スタートを切りたく交渉を進めています。

 養鶏については離れる時間が長くなるほどお役に立てることは限られてきますが、もしも経験してきた平飼い養鶏の技術を伝えることや、農業や継承の問題点について活動できることがあれば勤めていきたいと思います。

 今後は体調に合わせて無理がない範囲の活動になります。

 皆様のご支援をお願いしつつ、お知らせ致します。

2022年3月23日
窪田幸子

みなさまへ

  9月5日、一時帰宅もできずに緊急入院し、翌日、急性骨髄性白血病との診断を受けました。倦怠感や知覚過敏と錯覚した歯茎の痛み、痛み止めを飲まないと仕事の出来ない頭痛等があったのですが、年齢的な夏疲れや口腔内の問題と考えていました。

 振り返ってみると明らかな病気の症状でした。幸いなことに婦人科の定期検診で、気になる事があり血液検査をした事から先生が異変に気づいてくださいました。この病気は日単位で悪化するそうで、僅か3日後に病院に紹介状を戴きに行った際には、地下鉄の駅の階段を上るのも苦しく息が切れる程でした。

 病気の原因はまだ充分にわかっている訳ではありませんが、遺伝的要因ではなく、放射線や化学物質等と言われています。勿論、それらは身辺にありませんでした。唯、独りで休みなく働きつづけざるを得なかった状況と精神的なストレスが極限に達していたと思います。

 発病によって、30代前半迄は会話も人付き合いも苦手だった私を、いま此れほど多くの人が支えてくださる事に驚き、とても感謝しています。

 此れを書いている時点で最初の寛解導入療法の抗がん剤治療が終わり、正常な白血球と免疫力が回復するのを待っています。その後、地固め療法という抗がん剤治療を何回か繰り返し、終了後、他の癌と同様に5年は経過を見ることになります。

 白血病は細菌やウィルス等、様々な外的侵入と闘う免疫細胞の生産を担う重要な部分のがんです。その為、治療後も再発などによって免疫力が低下するリスクが減少するまでは、残念ながら養鶏の現場に戻ることができなくなりました。

 みなさまのお顔や卵を必要としてくださっているお気持ちを考えると大変申し訳なく思います。入院により同じ病気を背負ってもそれぞれ人生、立場、年齢等によって苦しみも悩みも異なることに気づきました。私は悲観も楽観もせず現在を受け止めています。

 治療が終わって復帰できた時には、これまでの仕事とは大きく変わると思います。再発や余命の心配もありますが持てる力で奥村土牛研究と文章の執筆、養鶏を核にした交流、杉並区との協力、平飼い養鶏の後進の育成等をしたいと願っています。

 暫し治療に専念し、又みなさまのお役に立ち、共に喜べる日常を取り戻すまで忘れずに見守ってくださいますよう切にお願い申し上げます。

2019年9月24日
窪田幸子

たまごと養鶏への取りくみ

1. 美味しいこと
2. 鶏たちが幸せなこと
3. 持続可能で環境に優しいこと

を目指します。

お知らせ

2019.8.20 若鶏が少しずつですが生み始めました。とても小さな卵ですが、よろしくお願い致します。

2019.1.4  本サイトの本運用を開始致します。

お得意様会員ページのログアウト機能(サイトを離れるとログアウトしたことになります)や特定商取引のページの宅配便について等が工事中です(完成までメールでお問い合わせください)。経費をかけないよう個人でサイトを制作しておりますので、未熟な点、運用後の修正等もあります。ご了承ください。

2019年初より、後藤もみじ卵の価格を6個330円にさせて頂きたくお願い致します。これまで飼料価格の上昇等もありましたが価格を据え置いてきました。生産現場の様々な改善も行なっており、より良いもの、より良い環境を更に目指していきます。ご理解くださいますよう宜しくお願い致します。東京烏骨鶏は据え置きます。

鶏病予防について

鳥インフルエンザが世界各地で毎年発生しております。鶏病予防の為、ご見学は原則お受けしておりません。希望される方は「鶏病予防とご見学について」をご覧ください。

養鶏の特徴

純国産鶏の後藤もみじと青梅畜産センター(注)が改良した東京烏骨鶏を飼育しています。

鶏たちは種類と月齢別に専用の鶏舎の中を自由に動き回れる平飼いで雌雄が同居しています。オスは時を告げますが、同居することでメスが落ち着きます。メスも「産卵宣言」をするのでどうしても朝は賑やかです。有精卵の基準は充していませんがストレスを与えないよう、最小限のオスを飼育しています。それ以外の時間は外敵等が現れなければ静かです。

育成は、雛から成鶏まで一貫して馴染んだ環境で育つよう、後藤もみじは初生雛から、東京烏骨鶏は約1カ月雛から飼養しています。つつきを防ぐ為に嘴を切るデビークや、主に産卵後期の卵殻質・卵重の改善を目指す強制換羽、産卵をコントロールする光線管理などは行っていません。落ち葉やチップを敷料として、鶏舎環境を維持し、鶏糞を土に還元します。まだまだ課題は尽きませんが自然の力と防疫とを両立し、おいしいたまごを目標に日々努めていきます。

(注)正式名は公益財団法人 東京都農林水産振興財団 青梅畜産センターです。