東京の田舎暮らし ー鶏といっしょー

鶏日記 早く修理をしなくては・・・

鶏舎の写真を見ていただくと分かると思います。鶏が歩き回る地面は土間、剪定チップをひいた土のままです。鶏舎は単価の安い卵のことを考えて、できる限りローコストで作ります。そして作りやすく。でもやはり5年も経つと、あちこちの修理もより大掛かりなものが必要になってきます。

ここのところ、毎朝鶏舎に行くたびに様子が変わっているのです。餌を上げたり、卵を拾ったりするための管理用通路に時には一羽、時には2羽、そしてあるときは・・・。烏骨鶏のメスのお行儀の悪いのが行ったり来たりを覚えてしまい。人の顔色を見てはやっています。捕まえようとするとギャーギャー言うので知らん振りをしていると、平気の平左。まったく子供がいたずらをするのとそっくりではないかなあ?

あーあ。

鶏日記 キャー!地震

7月23日 午後4時35分 頃

びっくりしました!久々に突然の大きな地震でした。

偶然、私は鶏舎の目の前にいて最初の数秒の後、ずさささ・・・鶏たちがにわかに後ずさり!!! な、ナンダ、ナンダ???

今回の地震は立っていても分かるような揺れ、不思議なのは家の中は全くそのままだったこと。無事でよかったですが、鶏たちのあんな反応を初めて見ました。でもさすが?うちのにわとりたち、予兆も何にも無く、全く鳴かず。う~ん、肝が大きいのかそれとも??

鶏日記 卵磨き

100羽弱しかいない小さな養鶏なので、卵は毎日1個ずつ手で磨いて箱詰めします。”卵磨き” なんとなくこの言葉が定着してしまったのだけれど、作業としては布で砂ホコリを落とす、そしてときどきこびりついた汚れがあったときは軽くサンドペーパーでこすります。あまりきつく磨きすぎてもいけなくて、卵表面のクチクラ層という保護膜を出来るだけ落とさないようにします。

黙々と “無心”になって磨く。
30分から40分くらいはかかっているように思いますが、次第に瞑想をしているような不思議な感覚になっていきます。

「がしゃっ 」ヒビが入っていた卵が割れると一瞬、ショックでぼーっとします。

11月に法政大学の社会学ゼミの学生さんが、この卵磨きを体験しました。「がしゃっ 」!!! 彼はその時のショックを暫く忘れないと思います。
何故これ程ショックに感じるのでしょう?
大事な卵と思って磨くから?無心になっているから?小さな宇宙が壊れてしまったような・・・なんだかそんな気がするのかもしれません。

手の中で卵を割ってしまったので、こんな話を書いてみました。

1月4日の想い

あけましておめでとうございます。

大天災など心痛む出来事の多い日々です。

自然の力の前に人間の小ささを思い知らされ、謙虚な心で歩まなければと思います。自然と人間の生活は時代が進んでも、やはり切り離すことのできないものだと思います。
去年は鳥インフルエンザが発生しましたが、自然の恵みを頂くことに、人間勝手ばかりに陥らないよう気をつけたいと思います。

今年は酉年。年賀切手も鶏、あちこちにニワトリ。で自然にウキウキしてしまいます。

「ことしはヒトにもトリにもけっこうな歳でありますように」という年賀状を頂いて、ほんとうにそうあって欲しいと願いました。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

コラム 鶏について 1日1個?

暫くぶりに天気が良くなりました。
明日は鶏舎の掃除をします。

秋雛の写真をアップしようと思いながら手が回らず。また火曜日からは雨が続くようです。どんどん大きくなって鶏舎を移動していかなくてはならないのに、このお天気には困ったものです。

”鶏は1日に何個、卵を産むのですか?”

と時々、ご質問を受けることがあります。鶏を飼っていると少し不思議に感じる質問です。何故そう聞かれるのか、どうお答えしたものか考えてしまいます。卵は物価の優等生。1日に幾つも生み続けるから、安いの?と思われるのでしょうか。深い意味はないのかもしれません。

卵の値段が安いか高いかは別にして、鶏が卵を産むのは本来、種の保存のためです。私も女性ですので「にわとりさん大変ね。いつもありがとう」と思ってしまいます。鶏の祖先と見られている赤色野鶏は、年間30〜60個の卵しか生まないようです。それが先祖だとすると、長い長い人間との暮らしの中で産む数が増えるように改良されていき、今は育種会社が掛け合わせて、産卵率がよいようにとか、病気になりにくい強健な体質とか、平飼いに向くおとなしい性質等の鶏を作り出しています。

私は後藤孵卵場の後藤360という鶏がおとなしく平飼いに向いているので、気に入って選んでいます。産卵率は70%前後、つまり10日に7個程度です。1羽1羽が6日生んで1日休むなど、周期を持って産んでいるのです。それでも産み始めて1年も経つと産卵率はどんどん落ちて、ほとんど産まなくなり羽が抜け変わります。体質が改善されてまた生み始めるのですが、以前ほどは産むことはないので、経済的にはこのあたりで廃鶏になります。

たった1年半程度、その時間を如何に過ごしてもらうかが、”たまご”という結晶となるのだと思います。毎日毎日思うようにはできないこともありますが、そう願いながら鶏たちと過ごします。

注)2004年の記事を編集して掲載したものです。現在は後藤孵卵場の「後藤もみじ」という鶏種を飼養し、年間産卵率も84.6%あります。(株式会社後藤孵卵場ホームページより)

私のつぶやき 夏の終わり

もう随分、以前の事になりました。

木のうろなど、水溜まりに湧く“蚊”やつばきにつく“かせむし”(茶毒蛾)を防ぐために、毎年、殺虫剤を撒いていた頃がありました。
どんなに頑張っても害虫を全滅させる事はできないのに、気がつくといつのまにか随分、蝉の声が減ってしまっていた事がありました。

生き物が生きられない環境の不自然さに薬を撒く事をやめてから、本当に沢山の生き物が戻ってきました。あの頃の何処か殺伐とした空気に比べると、いまは不思議と横溢した生命感が感じられるようです。

夏の終わり

蝉がぼたっと落ちてきた。
灰色の腹を上にして、
バタバタと回転する。
ほんのひと時、彼は動かなくなる

そっと裏返してやる。
だが、彼は再び灰色の腹を上して
じっと空をにらんでいる。

雀が一羽降りてきて、
私に気がつくとちょっと考えながら
遠回りをし、
彼をくわえて飛び去った。

夏の終わりの 命の響きのなか

鶏日記 7月2日

久々の鶏日記。81日齢です。

これから成鶏になるまで、ひよこの頃の劇的な変化に比べると余り変わりがない。外見は。ただサイズが変わっただけにしか見えない。大きさの割に体重はまだまだ。勿論微妙な変化はある。尾羽もすっかり生えて大人の羽のパーツは揃っている。まだ卵を産み始める前の輝くばかりの美しさはないけれど。
「私、美人になるんだから!」。この表情、少しだけおすまししている。”わたしどう?”って。

こちらは『動物のお医者さん』のチョビの顔みたいだけど、これはぼーっとしている。

鶏に心?と思うかもしれない。でもずっと見ていると成長とともに学び、そうして変化していくのがよく分かる。無邪気に遊ぶことが楽しかった頃から、集団の中で関係を学び、恋をする。一段一段、成鶏への階段を昇っていく。

今の緑餌はキャベツです。虫がついちゃったの丸ごといただいてます。

鶏日記 こわいよ〜〜

時々、鶏たちにも“ご馳走”のある時がある。といっても私たちの残り物が殆どだ。ご飯やうどんなど、もう喧嘩腰で奪い合う。虫やみみずに見えるのかと思うけれど、熟しすぎたスイカや庭の柿も大好物。大概が自家製。

でも昨日は食べるタイミングを逃してカチコチになってしまったフランスパンだった。基本的にパンは好きだからあげてみたら、一斉に逃げる。こわい〜〜。
暫くして先遣隊が恐るおそるへっぴり腰でつっついてみる。つついて逃げる。こわい〜〜?そうやりながら実は食べている。きゃーこわい〜!また食べている。こわい〜!
こりゃ、まんじゅうこわいではないか?

ちょっと固いかなと思って、水にたっぷりつけて見た。どんどん食べる。結局、怖がって見ているだけの仲間を尻目にこわいーをやりながら、みんな平らげた。