鶏日記 新しい試み

いそがしさを理由にパソコンに向って言葉を推敲することから逃げて、ずっと更新を怠っていました。まめにブログを真面目に書くことは結構大変なことではありませんか?パソコンに向かう頃には感動は逃げてしまうのです。

スマートフォンにはできるかぎり替えないと決めていたのに朝起きたら突然、携帯電話が壊れており、あっさり誘惑に負けてしまいました。 経済観念からすれば、さまざまな利点を考えても(今の私には)贅沢感はいなめません。だからこそ文明の利器にコントロールされることなく意義ある使い方はなにか模索中です。もしかしたらパソコンより、思いついた時に文章を書くよい道具かもしれないと気付き、暫くぶりにブログ更新します。

この頃つくづく思うことは、20年近く養鶏をやってきても、気づかなかったことが沢山あるということです。なぜこんなことに気づかなかったのだろう?今年はよくそう思います。思い込みの怖さと意識次第なのかもしれません。

秋雛がやって来て16日。雛は初生(生まれて1日のまだお腹に黄身が栄養として残っている状態)から育てます。本来、親鳥の羽の下で守られるはずが、いません。孵卵場から連れて来て初めて目をあわせると、最初は親代わりくらいには感じてくれるようです。ですが親鳥とは違い、ずっと一緒にいてあげられるわけではないので次第に独立心旺盛になっていきます。寂しいとともに少し可哀想にも感じます。

育雛(雛を育てること)は最初の1週間に事故が起こりやすく、年に2回(2013年9月時点、現在は年3回)の育雛は一つの山場です。試行錯誤を繰り返し考えたのですが、そこは贅沢に床暖房の上で育てます。小羽数なので現段階では専用施設を作るほうが割高なのです。

そして天気を見て10日目。次の難関。外の空気に触れさせます。前回、春の育雛でこの時事故が起こりました。風上の成鶏の鶏舎からの埃が原因か、もしくは育雛に使った敷料になんらかの菌があったかもしれません。失敗を反省に風上からの埃と蚊よけをします。ずっと以前、目を蚊にさされて失明したこともあったからです。ただし囲い過ぎても蒸れたり、空気の流通が悪くなってしまいます。9月の育雛は台風と秋雨にも注意が必要です。

外に出ると寝る場所はヒヨコ電球の点いたダンボールの中です。最初の2,3日、夕方暗くなりかけにダンボールに入れてあげれば自然に寝場所を覚えます。なのに3日経っても入りません。入り口をわかりやすい方向に向けなかったのがいけなかったのか?今年の雛は賢くないのか?と考えていました。
ところが寒気の来た夕方、いつになくぴーぴー鳴きながら、自分達でダンボールに入って行きました。何回教えても覚えないのに呆れて、昨日から勝手にさせていたのです。雛は廃温(一ヶ月経って体温維持ができるようになり、保温が不要になること)まで暖めますが、自分で選べるようにしておくとよほど寒くない限り、昼間は外に居て、夜も寒くなければ勝手に出てきてしまいます。寒そうにしていれば危険ですが、人間のコントロールは適度に。本来の能力をひきだすこと、そう感じる毎日です。