鶏日記 卵磨き

100羽弱しかいない小さな養鶏なので、卵は毎日1個ずつ手で磨いて箱詰めします。”卵磨き” なんとなくこの言葉が定着してしまったのだけれど、作業としては布で砂ホコリを落とす、そしてときどきこびりついた汚れがあったときは軽くサンドペーパーでこすります。あまりきつく磨きすぎてもいけなくて、卵表面のクチクラ層という保護膜を出来るだけ落とさないようにします。

黙々と “無心”になって磨く。
30分から40分くらいはかかっているように思いますが、次第に瞑想をしているような不思議な感覚になっていきます。

「がしゃっ 」ヒビが入っていた卵が割れると一瞬、ショックでぼーっとします。

11月に法政大学の社会学ゼミの学生さんが、この卵磨きを体験しました。「がしゃっ 」!!! 彼はその時のショックを暫く忘れないと思います。
何故これ程ショックに感じるのでしょう?
大事な卵と思って磨くから?無心になっているから?小さな宇宙が壊れてしまったような・・・なんだかそんな気がするのかもしれません。

手の中で卵を割ってしまったので、こんな話を書いてみました。