コラム 鶏について 1日1個?

暫くぶりに天気が良くなりました。
明日は鶏舎の掃除をします。

秋雛の写真をアップしようと思いながら手が回らず。また火曜日からは雨が続くようです。どんどん大きくなって鶏舎を移動していかなくてはならないのに、このお天気には困ったものです。

”鶏は1日に何個、卵を産むのですか?”

と時々、ご質問を受けることがあります。鶏を飼っていると少し不思議に感じる質問です。何故そう聞かれるのか、どうお答えしたものか考えてしまいます。卵は物価の優等生。1日に幾つも生み続けるから、安いの?と思われるのでしょうか。深い意味はないのかもしれません。

卵の値段が安いか高いかは別にして、鶏が卵を産むのは本来、種の保存のためです。私も女性ですので「にわとりさん大変ね。いつもありがとう」と思ってしまいます。鶏の祖先と見られている赤色野鶏は、年間30〜60個の卵しか生まないようです。それが先祖だとすると、長い長い人間との暮らしの中で産む数が増えるように改良されていき、今は育種会社が掛け合わせて、産卵率がよいようにとか、病気になりにくい強健な体質とか、平飼いに向くおとなしい性質等の鶏を作り出しています。

私は後藤孵卵場の後藤360という鶏がおとなしく平飼いに向いているので、気に入って選んでいます。産卵率は70%前後、つまり10日に7個程度です。1羽1羽が6日生んで1日休むなど、周期を持って産んでいるのです。それでも産み始めて1年も経つと産卵率はどんどん落ちて、ほとんど産まなくなり羽が抜け変わります。体質が改善されてまた生み始めるのですが、以前ほどは産むことはないので、経済的にはこのあたりで廃鶏になります。

たった1年半程度、その時間を如何に過ごしてもらうかが、”たまご”という結晶となるのだと思います。毎日毎日思うようにはできないこともありますが、そう願いながら鶏たちと過ごします。

注)2004年の記事を編集して掲載したものです。現在は後藤孵卵場の「後藤もみじ」という鶏種を飼養し、年間産卵率も84.6%あります。(株式会社後藤孵卵場ホームページより)