お知らせ ブログを移行してリニューアルしました

このブログは2004年4月18日から、ニフティ株式会社の@niftyココログサービスを利用して『東京の田舎暮らし-鶏といっしょ」の名称で作成してきたものを移行しました。

これまでの記事には現在行っていることと異なる内容、状況等も含まれます。仕事全般を常に新たに得た知識、アイデア、経験等で更新しているためです。ですので過去は記録として、情報につきましては最新の記事やブログ以外のページをご覧ください。その内容も常に更新される可能性があることをどうぞご理解くださいませ。

新たなWebページへとリニューアルするにあたり、作成当初の文章、表記等を整理編集しています。注釈や訂正をしている箇所もありますのでご了承ください。

ここから先は、新たなページのスタートです。

養鶏ページ全体の始動とともに新たな記事がスタートする予定です。

鶏日記 冬の朝

この季節、産卵箱を転がってくる生みたての卵は “ほわ〜ん’’ と一瞬湯気に包まれます。

東京でも朝は零度を切る時があり、寒さの中、一瞬の光景にほんわかした気分になります。卵を包むクチクラの層が乾くまでのほんの5…10秒。

給餌の後の、観察の時間…
大人になりかけの若鶏が給水器をブランコにして遊ぶのんびりとした光景。来年は更に一歩前に進もう、と平和の幸せを噛み締めて思います。

新年おめでとうございます

昨年中は大変お世話になりました。

特に年末、卵がご要望に足りず、ご迷惑をおかけ致しました。出来るかぎりお答えできるよう努めてまいります。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

新年は4日より、午前中10時-12時、卵を販売します。野菜は10日過ぎを予定しています。(現在の営業時間は異なります。ご注意ください)

鶏日記 新しい試み

いそがしさを理由にパソコンに向って言葉を推敲することから逃げて、ずっと更新を怠っていました。まめにブログを真面目に書くことは結構大変なことではありませんか?パソコンに向かう頃には感動は逃げてしまうのです。

スマートフォンにはできるかぎり替えないと決めていたのに朝起きたら突然、携帯電話が壊れており、あっさり誘惑に負けてしまいました。 経済観念からすれば、さまざまな利点を考えても(今の私には)贅沢感はいなめません。だからこそ文明の利器にコントロールされることなく意義ある使い方はなにか模索中です。もしかしたらパソコンより、思いついた時に文章を書くよい道具かもしれないと気付き、暫くぶりにブログ更新します。

この頃つくづく思うことは、20年近く養鶏をやってきても、気づかなかったことが沢山あるということです。なぜこんなことに気づかなかったのだろう?今年はよくそう思います。思い込みの怖さと意識次第なのかもしれません。

秋雛がやって来て16日。雛は初生(生まれて1日のまだお腹に黄身が栄養として残っている状態)から育てます。本来、親鳥の羽の下で守られるはずが、いません。孵卵場から連れて来て初めて目をあわせると、最初は親代わりくらいには感じてくれるようです。ですが親鳥とは違い、ずっと一緒にいてあげられるわけではないので次第に独立心旺盛になっていきます。寂しいとともに少し可哀想にも感じます。

育雛(雛を育てること)は最初の1週間に事故が起こりやすく、年に2回(2013年9月時点、現在は年3回)の育雛は一つの山場です。試行錯誤を繰り返し考えたのですが、そこは贅沢に床暖房の上で育てます。小羽数なので現段階では専用施設を作るほうが割高なのです。

そして天気を見て10日目。次の難関。外の空気に触れさせます。前回、春の育雛でこの時事故が起こりました。風上の成鶏の鶏舎からの埃が原因か、もしくは育雛に使った敷料になんらかの菌があったかもしれません。失敗を反省に風上からの埃と蚊よけをします。ずっと以前、目を蚊にさされて失明したこともあったからです。ただし囲い過ぎても蒸れたり、空気の流通が悪くなってしまいます。9月の育雛は台風と秋雨にも注意が必要です。

外に出ると寝る場所はヒヨコ電球の点いたダンボールの中です。最初の2,3日、夕方暗くなりかけにダンボールに入れてあげれば自然に寝場所を覚えます。なのに3日経っても入りません。入り口をわかりやすい方向に向けなかったのがいけなかったのか?今年の雛は賢くないのか?と考えていました。
ところが寒気の来た夕方、いつになくぴーぴー鳴きながら、自分達でダンボールに入って行きました。何回教えても覚えないのに呆れて、昨日から勝手にさせていたのです。雛は廃温(一ヶ月経って体温維持ができるようになり、保温が不要になること)まで暖めますが、自分で選べるようにしておくとよほど寒くない限り、昼間は外に居て、夜も寒くなければ勝手に出てきてしまいます。寒そうにしていれば危険ですが、人間のコントロールは適度に。本来の能力をひきだすこと、そう感じる毎日です。

鶏日記 鶏夫婦

春雛を買いに草加へ行ってきました。後藤孵卵場関東営業所です。

「杉並でしょ。オス大丈夫?」

電話で何回かお声を伺っているけれど、以前、お世話になっていた方とは違う男性(社長さん?社員さん?)が心配そうに聞いて来た。正確正直な答えは何かなあ、と頭をめぐらしつつ、「昔、放し飼いにしていたときには隠れて雛を孵してしまってオスが沢山生れ、ご近所からクレームを戴いたことはあります」(確か十数年前)「ただ最近はそういうお話はないです。それにオスがいるとメスが落ち着くような気がするので」と言うと、間髪居れずに「そうなんだよね~!!」。

「あ・・~~よかった!やっぱりそうなんだ。なんとなく感じていたことは確かだったんだ」。鶏の世界も人間に負けず劣らず、いろいろな感情が渦巻いているように見える。動物的(当たり前だけれど)で直情的な分、しっとや欲求不満も激しい。だから安心していられる環境だとメスの落ち着き方が全然違う。反対は悲惨だし、オスの鳴き声より、メスが騒いだ時のほうがとんでもなく ” うるさい !!! ” のだ。

イメージとは違って、鶏が落ち着いて暮らすには平飼いしているだけではだめで餌に満足して、水が適切で、環境に満足して外敵がおらず、健康で愛があってハッピーでいる!なかなか難しい。時々人間のほうがグロッキーするときがある。

以前、メスは廃鶏にしても、慣れたオスをずっと置いていた。その方がオス同士競り合って鳴く場合、既に分かり合った相手だから騒がしさが少しはちがうだろうと思っていた。でも誤算有り。メスは若くて花盛り、オスは・・かなりお疲れのご様子。の、結果。メスのストレス指数が上昇してオスは可哀想にぼろぼろに。わかりました。やっぱり雌雄は生涯を共にしなきゃなのです。愛情だって結構深い。

もう鶏飼いをして20年近く経つのに、鶏を日々観察しながらも作業的にこなしていた部分が、近頃は瞬間瞬間に動物の「心」に触れてしまってめまいすら感じます。でもそれが真実の姿なのだから、それなりの心があるということを知ってしまった以上、知らないことにも当然できません。

東日本大震災の後、ニワトリ達は怖がって荒れてなかなか元に戻りませんでした。私は鶏舎にいなかったから、その時どうだったのかはわからないけれども、パイプハウスの鶏舎の中仕切りの扉が開いてしまっていたから、ガシャガシャと大きな音を立ててぶつかったりしたのではないかと思います。小さな足で揺れる地面をどんな風に感じたのだろう。とにかくまた雛たちが少しでも幸せでいてくれるよう今年もがんばろう!そう思って春の育雛スタートします。

鶏日記 東日本大震災から

東日本大震災により被災されました方々に深くお悔み申し上げます。

あの日から心の中でいろいろな事が変わりました。
まだまだ整理はつきませんが、もし農業ができなくなったら…積み重ねて来たもの、受け継がれてきたものへの想い、目の前の鶏たち、くらくらするような衝撃でした。とても言葉に出来ない何か。

就農した頃は、農業を続けることに四苦八苦してやめたい、やめられないと悩んだこともありました。なのに喪失感のほうが大きいようです。鳥インフルエンザに地震、原発事故と大変な年です。それでも出来る限り頑張りたいと思います。

地震で鶏たちも大変でした。やっと少し落ち着いてきたようです。やっぱり怖かったんでしょう。

今週の直売所は
菜の花、九条ねぎ、人参(売切次第)、夏みかん、卵、東京烏骨鶏卵
などです。

お知らせ 杉並区広報特別番組放映のお知らせ

養鶏を始めて18年になりました。
支えてくださいました多くの皆様のおかげで100羽以下と規模は小さいですが、区内唯一の養鶏業となっています。
このたび杉並区広報特別番組「すぎなみの農業を知る」に取り上げていただきました。感謝申し上げます。

就農してから方向性を模索し、ものになるかどうかもわからないところからの試行錯誤でした。年月を経て振り返ると唯一、私らしく農業の出来る分野が養鶏でした。始めた頃は放し飼いを取り入れた牧歌的な養鶏でした。鳥インフルエンザが流行し、鶏舎は防鳥網に囲まれるようになりました。それでも私なりの考え方を大事にこれからも努力を重ねていこうと思います。

DVDにまとめられた番組は「杉並区で農業を営むことの現状や今後の展望など」を取り上げたものです。
3軒の農家と区・農協の取り組みが紹介されています。

TOKYO MX テレビで放映が予定されています。
テレビ局 : TOKYO MX (デジタル9チャンネル)
放 映 日 : 2月27日(日) 12時(正午)~12時15分
      5月22日(日) 12時(正午)~12時15分

区内の小中学校、農芸高校、図書館等に配布、閲覧できるようになる予定です。また近日中に杉並区のホームページからも閲覧できるようになる予定です。(公開は終了しております)

今後とも仕事を通して様々なことを学びながら、お役に立てるよう努めてゆきたいと思います。
*1995年、東京都フレッシュ&Uターンセミナー受講の折から、農業普及員として長くご指導戴き、近年退職されました山谷勝宣先生にこころより感謝申し上げます。

鶏日記 早く修理をしなくては・・・

鶏舎の写真を見ていただくと分かると思います。鶏が歩き回る地面は土間、剪定チップをひいた土のままです。鶏舎は単価の安い卵のことを考えて、できる限りローコストで作ります。そして作りやすく。でもやはり5年も経つと、あちこちの修理もより大掛かりなものが必要になってきます。

ここのところ、毎朝鶏舎に行くたびに様子が変わっているのです。餌を上げたり、卵を拾ったりするための管理用通路に時には一羽、時には2羽、そしてあるときは・・・。烏骨鶏のメスのお行儀の悪いのが行ったり来たりを覚えてしまい。人の顔色を見てはやっています。捕まえようとするとギャーギャー言うので知らん振りをしていると、平気の平左。まったく子供がいたずらをするのとそっくりではないかなあ?

あーあ。

鶏日記 キャー!地震

7月23日 午後4時35分 頃

びっくりしました!久々に突然の大きな地震でした。

偶然、私は鶏舎の目の前にいて最初の数秒の後、ずさささ・・・鶏たちがにわかに後ずさり!!! な、ナンダ、ナンダ???

今回の地震は立っていても分かるような揺れ、不思議なのは家の中は全くそのままだったこと。無事でよかったですが、鶏たちのあんな反応を初めて見ました。でもさすが?うちのにわとりたち、予兆も何にも無く、全く鳴かず。う~ん、肝が大きいのかそれとも??

鶏日記 卵磨き

100羽弱しかいない小さな養鶏なので、卵は毎日1個ずつ手で磨いて箱詰めします。”卵磨き” なんとなくこの言葉が定着してしまったのだけれど、作業としては布で砂ホコリを落とす、そしてときどきこびりついた汚れがあったときは軽くサンドペーパーでこすります。あまりきつく磨きすぎてもいけなくて、卵表面のクチクラ層という保護膜を出来るだけ落とさないようにします。

黙々と “無心”になって磨く。
30分から40分くらいはかかっているように思いますが、次第に瞑想をしているような不思議な感覚になっていきます。

「がしゃっ 」ヒビが入っていた卵が割れると一瞬、ショックでぼーっとします。

11月に法政大学の社会学ゼミの学生さんが、この卵磨きを体験しました。「がしゃっ 」!!! 彼はその時のショックを暫く忘れないと思います。
何故これ程ショックに感じるのでしょう?
大事な卵と思って磨くから?無心になっているから?小さな宇宙が壊れてしまったような・・・なんだかそんな気がするのかもしれません。

手の中で卵を割ってしまったので、こんな話を書いてみました。